職場に不満を感じたといった後ろ向きな理由ではなく、スキルアップが目的の前向きな転職も増えています。とくにIT業界でそうした例が多く、転職市場の新しい潮流とも言えるでしょう。しかし一方でスキルアップ目的の転職で失敗した例なども聞かれるようになりました。スキルアップ目的の転職の成否を分けるポイントは何なのでしょうか。

まずよく挙げられるのが「スキルアップの目的をしっかり意識できているか」です。「スキルアップしたい」と漠然と願うだけでより専門的な領域の職場に転職した結果ついていけなかった、あるいはいざ入職したら自分の適性とは合っていないことがわかったといったケースも多いのです。単にスキルアップをしたい、ではなく何のためにスキルアップしたいのか、そのために何が必要なのかを明確にしておきましょう。転職はスキルアップのためのゴールではなくあくまで手段として位置づけましょう。そのためにも転職先で何が習得できるのか、その習得できるものは自分が得たいものか、自分に向いているものなのかをしっかりと確認した上での職探しが欠かせません。

さらに仕事を通してどんなスキルを身につけていくのかもできるだけ明確にしておきましょう。とくにIT業界の場合、専門的なスキルを身につけることに意識が向いてしまいがちです。しかし実際にはリーダーシップやマネジメント力、情報収集力など経験を通して身につけるものも少なくありません。そうしたスキルの中から何を身につけたいのかを選択肢、その習得の機会が得られそうな職場を探していくのです。前向きな姿勢はよいのですが、スキルアップへの意識ばかりが先走りしてしまうと結局何も得られずに失敗してしまうこともあるので自分の現状なども見据えた上で転職活動を行っていきましょう。